貸付金の勘定科目について会計士が説明します!

勘定科目・仕訳

貸付金は「短期貸付金」と「長期貸付金」の勘定科目に区別して使用します。

貸付金の仕訳の例を挙げてみます。

得意先が一時的に運転資金が足りなくなっているので、金銭消費貸借契約を結び1,000,000円貸し付けた。
返済は、半年後に利息と共に行われる。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
短期貸付金1,000,000円普通預金1,000,000円

貸付金の返済が1年以内に行われるときは、「短期貸付金」の勘定科目を使用します。
短期貸付金は、貸借対照表の「流動資産」の区分に表示されます。
将来、お金を回収できる点では「売掛金」や「未収入金」と変わりませんが、貸付金は金銭消費貸借契約を結び、利息を取っている点で異なります。

得意先から事業拡大のための設備投資資金の借り入れの依頼があり、10,000,000円を貸し付けた。
返済期間は10年で、毎年1,000,000円の返済である。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
長期貸付金10,000,000円普通預金10,000,000円

貸付金の返済期間が1年以上になる金額については、「長期貸付金」の勘定科目を使用します。
長期貸付金は、貸借対照表の「投資その他の資産」の区分に表示されます。

決算日を迎えたので、貸付金に関する決算整理仕訳を行う。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
短期貸付金1,000,000円長期貸付金1,000,000円

決算日から1年以内に返済が到来する金額を短期貸付金に振り替えます。

社長が、私用で使うためのお金を、会社の小口から50,000円抜き取った。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
役員貸付金50,000円現金50,000円

法人の場合は、個人のお金ときちんと分けないといけませんので、役員貸付金の勘定科目を使用します。

私用で使うためのお金を、個人事業用の小口から50,000円抜き取った。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
事業主貸50,000円現金50,000円

個人事業主の場合は、自分自身への貸付という概念はありませんので、事業主貸の勘定科目で処理します。

子会社に5,000,000円貸し付けた。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
関係会社貸付金5,000,000円普通預金5,000,000円

親会社や子会社、関連会社に対して貸し付けた場合は、関係会社貸付金の勘定科目を使用しましょう。

また、従業員に貸し付けた場合には、従業員貸付金の勘定科目を使用しましょう。

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