売上の正しい仕訳はこれ!消費税のことも会計士が解説!

勘定科目・仕訳

売上の簿記の仕訳について、例題を使って仕訳例を説明します。
また、会計ソフトに設定する消費税の税区分についても、解説します。
経理の初心者の方にも、わかりやすく書いていますので、ぜひ参考にしてください。

商品を現金で販売した場合

1,000円の商品を販売し、現金を受け取りました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金1,000円売上高1,000円

貸方科目は、一般的には「売上高」で大丈夫です。
具体的な表現にしたい場合は「商品売上高」にするとわかりやすいでしょう。

製品を振込で販売し、振込手数料はこちらが負担した場合

10,000円の製品を販売し、得意先に発送しました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
売掛金10,000円売上高10,000円

発送した日に売上の仕訳を記帳する方法です。(出荷基準)
発送した日には、まだお金をもらっていないので、借方科目は「売掛金」を使用します。
売掛金とは、相手にお金を支払いを請求することが出来る権利(債権)のことです。

後日、振込手数料550円が引かれて、9,450円が普通預金に振込まれました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金9,450円売掛金10,000円
支払手数料550円

お金が振込まれたので「売掛金」をゼロにするために、貸方科目に持ってきます。
振込手数料を販売側が負担する約束になっている場合、こちらが負担した振込手数料は、「支払手数料」の費用科目を使用します。

商品をクレジットカードで販売した場合

5,000円の商品を販売し、クレジットカードでお会計しました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
売掛金5,000円売上高5,000円

お金は後日、カード会社から振込まれるため、借方は「売掛金」となります。
この売掛金は、販売先ではなくクレジットカード会社に対するものです。

後日、カード会社から手数料200円が引かれて、4,800円が普通預金に振込まれました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
普通預金4,800円売掛金5,000円
支払手数料200円

お金が振込まれたので「売掛金」をゼロにするために、貸方科目に持ってきます。
カード会社の利用手数料は、「支払手数料」の費用科目を使用します。
カード会社から届く振込明細書で、売上とそれに係る利用手数料の金額を把握し仕訳を行いましょう。

事前に手付金を受け取り工事を行った場合

100,000円の工事契約を結び、事前に50,000円の手付金を受け取りました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金50,000円前受金50,000円

手付金は受け取りましたが、まだ工事が完了していないため「売上高」ではありません。
負債の勘定科目である「前受金」を使用します。

工事が完了したため、残りの50,000円を受け取りました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金50,000円売上高100,000円
前受金50,000円

工事が完了したので「売上高」を計上します。
手付金の「前受金」は「売上高」に振り替える必要がありますので、忘れないようにしましょう。

消費税の税区分について

消費税を税務署に納付しなければならない会社や個人事業主、フリーランスなどの課税事業者は、弥生会計などの会計ソフトに仕訳を入力するときに、勘定科目や金額のほかに消費税の税区分を設定する必要があります。

ここでは、その消費税の税区分に設定する内容ついて、簡単に説明します。

消費税を納付する必要のない免税事業者は、関係はありませんので見なくて大丈夫です。

税込1,100円の商品を販売し、現金を受け取りました。

借方科目借方金額税区分貸方科目貸方金額税区分
現金1,100円対象外売上高1,100円課税売上10%

通常の売上は、課税売上となります。
商品が食料品の場合は、「課税売上8%(軽)」と設定しましょう。
※(軽)とは軽減税率のことで、食料品のテイクアウトなどは消費税が8%となっています。
会計ソフトでは、税込方式か税抜方式かは設定で行うため、仕訳を入力するときは税込の金額を入力すれば大丈夫です。
なお、税抜方式の場合は、自動的に「借受消費税」が計上されます。

商品券を販売した場合の消費税の税区分

10,000円の商品券を販売し、現金を受け取りました。

借方科目借方金額税区分貸方科目貸方金額税区分
現金10,000円対象外売上高10,000円非課税売上

商品券の売上高の消費税の税区分は非課税売上となります。
実際に10,000円の商品券を買ったときに11,000円を支払ってはいないですよね。
ギフト券や旅行券、クオカード、図書券などの売上高も非課税売上となります。

売上高はある程度の集計金額でまとめて仕訳を行う

売上帳の今月の現金での売上合計は1,234,567円でした。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
現金1,234,567円売上高1,234,567円

仕訳は、1取引ごとに記帳する必要はありません。
売上帳(補助簿)に毎日の売上金額を記入し、月末に合計金額を計算して記入していれば、ひと月に1仕訳でも問題ありません。

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