お見舞いの勘定科目と仕訳について会計士が解説!

勘定科目・仕訳

従業員や取引先へお菓子などの手土産やお花を購入してお見舞いをした場合の簿記の仕訳について、例題を使って仕訳例を説明します。
また、会計ソフトに設定する消費税の税区分についても、解説します。
経理の初心者の方にも、わかりやすく書いていますので、ぜひ参考にしてください。

従業員にお見舞いをした場合

当社の従業員の入院見舞に果物を購入し、代金5,000円を現金で支払いました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
福利厚生費5,000円現金5,000円

従業員にお見舞いをした場合は、「福利厚生費」の勘定科目を使用します。
ただし、福利厚生とできるのは、お見舞いの金額が高額でない場合です。
高額であれば、給与と判断される可能性がありますので、注意しましょう。

取引先にお見舞いをした場合

取引先の会長が亡くなられたので、葬儀場に供花30,000円分を注文し、香典50,000円を持参して葬儀に参列しました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
接待交際費30,000円未払金80,000円
接待交際費50,000円現金50,000円

お見舞いとはいえないかもしれませんが、取引先の役員などに不幸があった場合の支出については、「接待交際費」の勘定科目を使用します。

得意先の事務所が台風被害に遭われたため、お見舞金として100,000円を現金で渡しました。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
雑費100,000円現金100,000円

取引先へのお見舞金は、基本的には「接待交際費」ではありません。
接待交際費として処理しても問題はありませんが、中小企業の場合、経費として認められる接待交際費の合計は年間800万円が上限ですので、その上限金額を超える可能性がある場合には、別の勘定科目で処理したほうがよいでしょう。
お見舞金が被災前の取引関係の維持・回復を目的として、取引先の復旧過程において支出されるものであれば、接待交際費とはならないので「雑費」などの勘定科目で処理しましょう。
金額については、被災状況等に応じて勘案されますので、高額であっても経費として処理できます。
なお、被災した取引先の役員や使用人に対して個別に支出する災害見舞金は、個人事業主に対するものを除き、基本的には「接待交際費」となります。

消費税の税区分について

消費税を税務署に納付しなければならない会社や個人事業主、フリーランスなどの課税事業者は、弥生会計などの会計ソフトに仕訳を入力するときに、勘定科目や金額のほかに消費税の税区分を設定する必要があります。

ここでは、その消費税の税区分に設定する内容ついて、簡単に説明します。

消費税を納付する必要のない免税事業者は、関係はありませんので見なくて大丈夫です。

自社のパートさんが入院したので、お見舞いとして3,000円の果物を購入し渡しました。

借方科目借方金額税区分貸方科目貸方金額税区分
福利厚生費3,000円課税仕入現金3,000円対象外

お見舞の商品には消費税がかかっていますので、税区分は「課税仕入」です。
食品の場合は、軽減税率となりますので注意しましょう。

取引先の社長が亡くなられたため、香典として現金50,000円を渡しました。

借方科目借方金額税区分貸方科目貸方金額税区分
接待交際費50,000円対象外現金50,000円対象外

現金を渡した場合は、税区分は「対象外」です。

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